体外受精の用語集
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アシストハッチング(AHA)
胚は子宮内膜に触れると、胚を覆う透明帯の一部が溶けることにより胚は外にでます。これをハッチングと言います。ハッチングした胚は子宮に埋もれていきます。これが着床です。
着床するためには、ハッチングしないと着床できませんが、胚の中には、透明帯が硬くなったり、厚くなったりしてハッチングしづらくなってしまっているものもあります。このうまくハッチングしない場合に、透明帯に一部穴をあけたり、薄く削ることでハッチングをしやすくします。この方法をAHA:アシスティッドハッチングと言います。
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hmg-hcg療法
hmg注射にて卵胞を育てて、hcg注射にて排卵を促す方法。リスクとして、卵巣過剰刺激症候群があります。
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黄体化非破裂卵胞(LUF)
何らかの原因で排卵が起こらず、そのまま卵子が卵巣に残ってしまうこと。
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化学的流産
受精卵がうまく子宮内膜に着床することができず、月経と同じように流れてしまう現象。厳密にいうと妊娠が成立していないため流産ではないが、このように呼ばれることがある。
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原始卵胞
産まれた時から持っている卵のことです。数に限りがあり、原始卵胞がなくなると閉経します。産まれたばかりのときは200万個の原始卵胞が存在すると言われています。
これが思春期には30万個、そして50歳ぐらいの閉経間際には1000個以下となり卵巣の機能は停止します。
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抗精子抗体
精子を抗原となる免疫反応のこと。精子が異物はみなされ頸管粘液が精子の動きを止めてしまい、妊娠の妨げとなる。血液検査にてわかります。
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高プロラクチン血症
通常プロラクチンというホルモンは、出産後に放出され母乳を出す為のホルモンですが、妊娠前の女性に出る事があります。プロラクチンの値が高すぎると排卵が起こらない、着床がしづらく妊娠出来ないという事になります。
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抗リン脂質抗体
自己免疫異常のために出来る自分を攻撃する抗体。血栓症、習慣流産、不育症などの原因になる。
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子宮外妊娠
受精卵が子宮内膜以外にうもれてしまうこと。当然赤ちゃんが育つスペースはなく、流産したり卵管が破裂したりして母体も危険な状態になることがあります。早めの受診が必要である。
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主席卵胞
原始卵胞の中のひとつの卵胞が大きく育っていく。それが主席卵胞と呼ばれる。通常は、残りの卵胞は育たなくなるが、2つ以上の主席卵胞が成熟し受精・着床となると多胎妊娠になる。
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続発性不妊
不妊症の種類で、過去に妊娠した事はあるが、その後妊娠しない場合のこと。これに対し、1度も妊娠したことのない人は原発性不妊という。
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ターナー症候群
女性不妊をきたす疾患の中で、最も一般的な遺伝による障害といわれ、妊娠は可能なものの流産率が高く、生まれたとしても無排卵などの障害が起こる。
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ネックレスサイン
卵巣に成熟できない卵胞が、数珠状(ネックレス)に並んで見えること。卵胞の膜が硬くて排卵できないことが多い。卵胞がたくさんできてしまう多嚢胞性卵巣(PCO)
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非配偶者間人工授精(AID)
夫が無精子症などのときに夫以外の精子を使って人工授精させる方法。これに対して夫の精子を使って人工授精をさせる方法は、配偶者間人工授精(AIH)という。
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フーナーテスト
排卵日近くか当日に性交をしたすぐあとに子宮内の粘液を採取して、精子が子宮内に侵入しているかどうか調べまる検査。子宮内に精子が進入していれば人工授精の必要はないとされる。外来で検査できる簡単な検査で、タイミングにより検査結果がことなることから数回検査する場合もある。
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卵管采
卵管の先端にあり排卵された卵子をピックアップするところです。卵管采から卵子をピックアップできない場合、ピックアップ障害となります。
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卵管障害
精子と卵子が出会う場所である卵管が何らかの理由で詰まってしまっている、または癒着している症状。クラミジアによる炎症・癒着などがある。
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卵管通水検査
子宮口より生理食塩水を送りこみ、卵管の通過性を検査する方法です。同じような検査に卵管造影検査などがあります。