自然周期体外受精勉強会

体外受精の適応

1)精子と卵子が出会えていない(ピックアップ障害)
通常、排卵した卵は、卵管の先端にある卵管采によりとり込まれて精子と出会いますが、卵管采の形が悪かったり卵巣との位置関係が悪かったりすることにより精子と卵子が出会えません。

2)精子の受精障害
成熟卵の場合、60〜70%が受精するといわれていますが、体外受精を行うと約10%前後の受精障害が起こり、顕微授精が必要になります。

3)卵子の状態が悪い
卵子の状態が悪いとなかなか受精できず、また受精できても分割を途中で止めてしまう、せっかく受精しても妊娠が継続できないなどが起こります。

卵の質を下げてしまうであろうと思われる原因は

  • 年齢(35歳以上)
  • 子宮内膜症
  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
  • 卵巣周囲の炎症
  • hMG-hCGの乱用・長期使用
  • 卵巣の手術既往

このほかにも、卵管閉塞やクラミジア抗体陽性などの卵管に異常があったり、抗精子抗体が陽性(※1)なども考慮して体外受精の適応を考える必要があります。

※1 抗精子抗体とは
また不妊治療で本当に必要な検査とは、不妊症の原因や体外受精の適応などを踏まえてこれらの事が重要になります。
(1)排卵はきちんと起こっているか、また黄体期特有のホルモンバランスになっているか?
(2)子宮卵管通水、造影で卵管の通過性があるか?
(3)フーナーテスト(ヒューナーテスト)の結果は良好か?

女性側の検査として
・ホルモン検査
・クラミジア抗原抗体検査
・フーナーテスト(ヒューナーテスト)
・子宮卵管通水・造影検査

男性側の検査として
・フーナーテスト(ヒューナーテスト)
・精液検査
・クルーガーテスト